最近、街で見かけるとつい目で追ってしまう!
丸目ライトにスクエアなボディ。無骨で、ちょっと可愛くて、どこか懐かしい。
ーールノー・カングー
このクルマ、ただのお洒落ミニバンじゃない。乗る人の“気配”が見える、珍しい輸入車なんだ。
僕は、かつてルノー・ルーテシアRSを愛車としていた時期がある。あの独特な足まわり、しなやかで芯のある乗り味には、正直驚かされた。
そして、今やルノーは日産と多くの共通技術・部品を持っている。カングーに使われているエンジンやミッションの一部も、国産車と同じ思想で設計されていて、信頼性は決して“フランス車だから…”なんてものじゃない。
とはいえ、ネット上では「壊れる」「後悔した」「燃費悪い」なんてネガティブな情報も飛び交う。
それでも俺は、ルノーに“信用”を置いている。理由があるからだ。
この記事では、2025年の中古市場で人気を集めるルノー・カングーについて、評判・故障・価格・燃費・内装・限定車などの実態を、ユーザー目線とプロ目線の両方から解き明かしていく。
買って後悔するのか、それとも人生をちょっとだけ面白くしてくれる一台なのか。
この先の話を、信頼と愛着を込めて、語っていこう。
【カングーは後悔する?】購入者のリアルな評判とは
ルノー・カングーというクルマを語るとき、よく耳にするのが「後悔した」という言葉。でも、その裏にはもっと深い“期待とのギャップ”があるように思う。
カングーは決して万人向けのクルマじゃない。だけど、自分の感性に正直な人、モノ選びに「遊び心」を大切にする人にとって、これ以上ないパートナーになってくれる。実際に、購入者の声を拾ってみると、その両極がはっきり見えてくる。
「後悔した」派の声
- 「燃費が思ったより伸びなかった。街乗り中心でリッター10km台前半。国産のハイブリッドに慣れていると不満かも」(40代 男性・都内)
- 「スライドドアのレール部分に水が溜まりやすく、手入れしないと錆びやすいのが難点」(30代 女性・千葉)
- 「車幅が思ったより大きくて、狭い駐車場では気を遣う」(50代 男性・神戸)
「買って良かった」派の声
- 「乗るたびに“クルマって楽しいな”って思わせてくれる。スライドドアの金属音すら愛おしい」(40代 男性・長野)
- 「キャンプやDIYにちょうどいい。荷物がガンガン積めて、見た目も無骨で洒落てる」(30代 男性・茨城)
- 「走りがしっかりしてる。ドイツ車ほど堅くないけど、ちゃんと“路面を掴む感じ”があって、運転が楽しい」(50代 男性・岐阜)
これらの声からわかるのは、カングーは“実用車なのに感性に訴える”珍しい存在だということ。
見た目に惹かれて勢いで買うと、確かに後悔するポイントもある。でも、最初からこのクルマの“個性”と向き合う覚悟がある人にとっては、まるで長年連れ添った相棒のような存在になってくれる。
僕自身もルノーに乗っていたからこそわかる。「数字では測れない楽しさ」が、このブランドには確かにある。
【中古カングーの価格相場】2025年最新マーケットレポート
カングーは、フランス車の中でも「手の届く現実的な夢」と言える存在だ。
2025年現在、中古市場は以下のように動いている。
▼ 平均価格相場(2025年夏)
- カーセンサー:平均 約117.9万円
- グーネット:平均 約140.3万円(15.6万~488万円)
- ナビクル:平均 約143.4万円
▼ 具体的な相場目安(年式・仕様別)
- 2017〜2018年式(走行5万km):130〜180万円
- 限定車(MT/ディーゼル):280〜370万円
- 初期型(2008年式・6万km):90万円前後
僕のおすすめは150万円以内で、しっかり整備記録のある1台を選ぶこと。
ルノーは壊れやすいというイメージもあるけれど、メカニズムの多くは日産と共通化されており、部品供給も安定している。信頼性においては、もはや「外車だから…」と不安になる必要はない。
大切なのは、見た目だけで飛びつかず、自分の暮らしにフィットする1台を、しっかりと見極めること。
【燃費と維持費】本当に経済的?実燃費と現実的コストを徹底解説
クルマ選びの現実的な視点として、やっぱり気になるのが「燃費と維持費」。
ルノー・カングーの魅力は語り尽くせないほどあるけれど、それが家計の中でどういう存在になるのかを知っておくのは、とても大切なことです。
カタログ燃費は“優等生”
- ガソリン車(1.3Lターボ/6EDC):WLTCモード 約15.3km/L
- ディーゼル車(限定モデル):WLTC 約17.3km/L、高速走行時19.9km/L
数字上は十分に優秀。でも、それが“日常”でどこまで再現されるかが本当の勝負です。
実燃費:ユーザーの声が語る“現実”
- ガソリン車(1.2〜1.3L/MT・AT問わず):実燃費10〜13km/L前後
- ディーゼル車(6MT):実燃費16〜18km/L前後
「意外と悪くないじゃん」と思うかもしれません。でもハイブリッド慣れした人には“重さ”を感じるかもしれません。
維持費:輸入車でも「怖くない」理由
- 燃料代:月800km走行ならおよそ14,000円前後(ガソリン140円/L換算)
- オイル・ブレーキパッド・タイヤなど:年間5〜10万円程度
- 車検費用:正規ディーラーで15〜20万円、認証工場なら10万円台も
そして、ここで大事なのは「ルノーは日産と部品共通が多い」という事実。
輸入車=高コストという常識が、いい意味で裏切られるのがカングーなんです。
僕の視点:数字の奥にある「味わい」
僕がルーテシアRSを愛していた理由は、数値以上に“鼓動”を感じたから。
カングーも同じ。燃費という尺度では測れないけれど、その“手間すら楽しい”と感じられたら、それはもう「後悔しない一台」になるんです。
数字の良し悪しに一喜一憂せず、“自分の暮らしにどう馴染むか”を想像してみてください。
それが、カングーという輸入車とうまく付き合ういちばんの秘訣です。
【故障と弱点】それでも僕がルノーを信じる理由──深掘り完全版
ルノー・カングー、中古で検討中のあなたなら、「本当に大丈夫かな?」という不安を抱くのは自然なこと。故障のリスク、維持費、あらゆる心配が頭に浮かぶと思います。でも、僕がかつて所有したルノー・ルーテシアRSは、高年式モデルだったこともあって、本当に1度もトラブルがありませんでした。それだけではなく、信頼感というのは、こういう“裏切られなさ”の積み重ねによって育まれると、僕は思っています。
■ 注目すべき具体的なトラブルと概算修理費用
- ギアボックスの不調:シンクロ不良や軋り音、2速/リバースの入りづらさが代表的。再生ギアボックスへの交換では(約16〜24万円)程度。なお、日産と共通の設計のため、部品調達は比較的安定しています。
- ディーゼルインジェクターのシール漏れ:黒煙、ディーゼル臭、異音が出たら要確認。一本あたり(約3〜8万円)/本の出費を見込む必要があります。
- EGRバルブのカーボン詰まり:エンジン性能の低下に直結。新品交換なら(約3〜7万円)程かかります。
- 電装トラブル:ウィンドウの動作異常や警告灯のちらつき。モジュール交換や配線修理が必要になると、(約3〜7万円)程度です。
- タイミングベルトの切れ:未交換で走行を続けると最悪、エンジン再構築で(約18〜35万円)に。定期交換は(約7〜12万円)と覚えておきたいリストです。
- DPF詰まり:新品で最大(約18万円)までかかるケースも。
■ TÜV検査から見る信頼性の実像
- 中古車の信頼性を測る指標として、TÜV報告は貴重です。残念ながらカングーは、経年車で指摘の多い車種リストに名を連ねていることもあります。
- ただしこれは“平均値”に過ぎず、実際には整備履歴や使われ方によって、個体差は非常に大きいものです。
■ 一方で信頼性を示すデータも
- VehicleScoreでは、カングーの信頼性を示すスコアとして“999/999”という非常に高い評価を得ています。しっかり整備されている車両であれば、長く付き合える力を持っているのも事実です。
■ 僕の経験:ルーテシアRSとの日々は“裏切らない安心感”の積み重ね
かつて乗っていたルーテシアRSについては、高年式だったことも幸いして、本当にトラブルゼロでした。雨の日も猛暑も深夜のドライブも、何の不安もなくハンドルを握れて、まさに“信頼の塊”だった。
それは言い換えれば、「安心して任せられる相棒」と呼ぶにふさわしい存在。カングーも同じ。設計思想や共有部品を考えれば、信頼は“育てるもの”だと僕は思います。
■ 故障や維持費以上に大切な選び方の視点
大事なのは、価格と走行距離だけで判断しないこと。整備記録、使用履歴、前オーナーがどう手をかけてきたか。そこを見てこそ、“ただの輸入車”ではなく、“一緒に人生を走れる相棒”となります。
完璧を求めず、味わいとして受け止める。そうすれば、カングーは“ただの移動手段”でなく、心に残る人生の伴侶になってくれるはずです。
【内装と使い勝手】暮らしをひらく“ちょうどいい空間”
カングーに乗って初めて気づくことがある。
それは、クルマというのは“走る箱”ではなくて、“暮らしの一部”だということ。道具であり、遊び場であり、移動するリビングにもなりうる。その可能性を、カングーの内装はしっかりと内包している。
室内に足を踏み入れた瞬間、まず感じるのは「余白のある空間」。座席も窮屈さがなく、ガラス面の大きさやシートの位置関係が絶妙で、視界が広い。背の高い人でもゆったりと座れるし、小さな子どもが横にいても気持ちのいい距離感が保てる。
そして、実用性と工夫の宝庫でもある。例えばルーフ上部に備えられた“イージーインサイドラック”。長尺物を床に置かずに収納できることで、荷室の使い勝手が飛躍的に高まる。リアシートはワンタッチでフラットに折りたためて、大人2人がそのまま横になれるほどのフラットスペースが生まれる。キャンプや車中泊にも相性抜群だ。
こうした機能美は、単なるギミックではない。日々の暮らしの中で「ちょうどよく助かる」――そんな仕掛けたちだ。買い物帰りの荷物が崩れずに積めるフック、スライドドアの開口部の広さ、手の届くところに配置されたスイッチ類。すべてが“実際に使う人”の視点で設計されている。
カングーは、SUVのように“見せるクルマ”ではないかもしれない。でもこの内装は、暮らしに寄り添い、生活に溶け込むように設計された「大人のための道具」だ。
僕の視点:空間の“余白”がもたらす自由
僕がルーテシアRSに乗っていた頃は、走りそのものに夢中だった。でも、子どもが生まれてからクルマの“使い勝手”に目を向けるようになった。
助手席に乗る娘が、天井の棚にお菓子を隠していた。後部座席に置いた絵本が、いつしか小さな図書館になっていた。
カングーの空間には、そんな「余白」や「遊び」がちゃんと残されている。
シートの質感がどうとか、インパネが硬質プラスチックだとか、そういうことも確かに大事だ。でも、それ以上にカングーが教えてくれるのは、「クルマと暮らす楽しさ」そのものなのだと思う。
まとめ:こんな人に刺さる内装
- アウトドアやDIYが好きで、荷物をガンガン積みたい人
- 家族で出かけることが多く、使い勝手を重視したい人
- 無駄な装飾よりも、「ちゃんと使える道具」を求める人
カングーの内装は、見栄えよりも“リアルな生活”に目を向けている。
その真っ直ぐさが、いまの僕にはとても誠実に思える。
【限定車・茶色・カスタム】カングーが語る“大人の遊び心”
カングーに惹かれる人の多くは、実用性や使い勝手の先に、「ちょっとした遊び心」を求めているように思います。
それは派手なドレスアップではなく、自分だけの色や仕様をまとうことで、暮らしの中に“小さな物語”を足す感覚。まるでお気に入りの革靴を育てるように、少しずつ馴染んでいく――カングーは、そんな存在になり得るクルマです。
限定車や茶色のボディカラー、そして無限の可能性を秘めたカスタム。そのすべてが、“暮らしにひとさじの個性を添える”ための装備なんです。
■ 限定モデルは“選んだ人の物語”を語る
ルノーはこれまでに、数多くの限定仕様のカングーをリリースしてきました。たとえば「TomTom Edition」や「I-Music」など、テーマやコンセプトが明確なモデルたち。
そして日本市場では、「Limited Diesel MT」や、アイスランドブルー、マロンショコラなど独自のカラー展開がありました。これらのモデルには、ただの“色違い”以上の意味があると僕は思っています。
それは選ぶ人のライフスタイルや価値観が映し出される、いわば“記憶のカタチ”なんです。
■ 茶色という選択──控えめだけど確かな存在感
ブラウン系のカングーを街で見かけると、いつもハッとします。
派手さはないけれど、街の景色に自然と溶け込み、それでいてしっかりと個性がある。大人のセンスとは、こういう控えめな主張に宿るのかもしれません。
「オレ、派手なクルマはちょっと……」という方こそ、あえて茶色のカングーを選ぶ。その選択には、強さと優しさ、両方があるように感じます。
■ カスタムは“想像力の遊び場”
ベースが商用車ということもあって、カングーはカスタムベースとしての自由度がとにかく高い。自作のルーフラック、棚、ギア収納……。何をどう積もうか、どんな使い方をしようかと想像する時間がすでに楽しい。
僕の知人でも、ウッドパネルで荷室をDIYして「移動する秘密基地」を作っていた人がいました。そこには、“速さ”や“高級感”とは別次元の、クルマとの豊かな関係性があった。
■ 僕の視点:記憶をまとうクルマ
僕がルーテシアRSに乗っていた頃も、ただ「走りがいいから」だけじゃなかった。ボディカラーやステアリングの感触、助手席から聞こえる家族の笑い声――そうした日常の記憶が、クルマという存在に溶け込んでいく感覚があった。
カングーもまた、そういう記憶をまとうことのできるクルマです。
■ まとめ:こんな人にこそ響くカングーの特別仕様
- 人と違う色や仕様で、さりげなく個性を表現したい
- クルマを「相棒」として育てていきたい
- 移動手段に“ストーリー性”を求める大人のあなたに
限定車や茶色のカングーは、決して派手ではないかもしれない。
けれど、その静かな佇まいこそが、大人の魅力なのだと思います。
【信頼性と故障リスク】信じる覚悟を持って選ぶカングー
「カングーって壊れやすいの?」
中古車を検討していると、誰しもが一度はぶつかるこの問い。インターネット上では「後悔した」「維持費が高い」などネガティブな言葉も飛び交います。
でも、僕は声を大にして言いたい。
クルマの信頼性とは、スペックの数字や他人の噂だけでは語れないということを。
ドイツの技術検査機関によると、確かに4〜5年経過したカングーの検査通過率は平均よりやや低めの傾向があります。これは裏を返せば、“整備が甘かった個体”が目立つというだけの話。中古車市場においては、オーナーの使い方とメンテナンスの履歴こそが、その車の本当の信頼性を物語っていると僕は考えています。
実際、整備履歴が明確で定期点検を受けていたカングーは、驚くほどタフです。商用バンとしてヨーロッパ中を走り回ってきた背景もあり、設計そのものは非常に堅実で合理的。そこに日産との共通部品という強みが加われば、信頼性はむしろ高い部類に入るのではないでしょうか。
僕自身、かつて所有していたルーテシアRSでは高年式ということもあり、まったくのトラブルフリーでした。真冬の箱根も、真夏の東名も、何ひとつ不安なく走り切ってくれたあの安心感は、今でも忘れられません。
あの信頼感があるから、僕は今でもルノーというメーカーを信じています。
大切なのは、中古だからといって安易に価格だけで飛びつかないこと。記録簿の有無、整備履歴、販売店の信頼性──見るべきポイントはいくつもあります。
少し遠回りに思えるかもしれない。でも、そのひと手間こそが、長く付き合える“相棒”と出会うための、必要な時間なんです。
ルノー・カングーは、確かに気難しい一面もある。けれど、それ以上に誠実に応えてくれるクルマでもある。
信じる覚悟を持って選ぶ。それがカングーを本当に楽しむための第一歩なのだと、僕は信じています。
【まとめ】カングーという“余白”を持った相棒を、あなたに。
ルノー・カングーというクルマは、スペックの高さや速さを語る存在ではない。
けれど、それ以上に、日常のなかに“余白”をくれる一台だと僕は思う。
広い室内、素朴で愛嬌のある内装、そして積載力抜群の荷室。
家族でキャンプに出かけるとき、カングーのラゲッジスペースにはテントやバーナー、チェアがどんどん吸い込まれていく。リアシートの空間には、子どもたちの笑い声が響く。僕が大好きなポータブルサウナセットも、カングーなら難なく積める。
そんな“使い倒せる実用性”に、僕は心底惹かれている。
評判は賛否が分かれるが、ルノーを信じてきた僕としては、「きちんと選べば、これほど“人生に寄り添ってくれるクルマ”もそうない」と断言したい。
中古相場も現実的で、燃費や維持費も極端に重いわけじゃない。
日産と部品を共用しているという安心感もあり、整備履歴のしっかりした個体なら、むしろタフな相棒になる可能性を秘めている。
色や仕様に物語を持たせた限定車たちも、素朴で個性を放つ茶色のボディも、すべてが「自分らしさ」を表現するキャンバスのようだ。
僕が昔乗っていたルーテシアRSがそうだったように、クルマとの関係には“走り”以上の意味がある。人生のある一時期を共に過ごす存在──それが、僕にとってのクルマなんです。
カングーには、まさにその“共に生きる感覚”がある。
家族との時間、自然とのふれあい、自分だけのサウナ時間──そうしたひとつひとつの“好き”が、ちゃんと収まるクルマ。
「運転していて楽しい」だけじゃない、「使っていて嬉しい」と思える日々が待っている。
だからもし、あなたがいまカングーに心惹かれているなら。
それはもう、人生が次のステージへ進む合図なのかもしれません。
そして、最後にひとつだけ。
僕がカングーを選ぶなら、迷わずブルーの車体を選びます。
なぜって?
横浜生まれの僕にとって、あの色は“心のホームカラー”だから。
……ってカッコつけてみたけど、実はベイスターズファンなだけです(笑)
そんな理由でも、クルマ選びっていいんじゃないでしょうか?
あなたにとっての“カングーの物語”が、どうか素敵なものになりますように。
峯村翔
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