まだ夜が明けきらない横浜の街
信号のないT字路に、新型RAV4が静かに現れる。
その姿を、僕は何度も“想像のなか”で見ている。
ステアリングの感触、アクセルを踏み込む前のわずかな緊張、
都心の雑踏に溶け込む静寂──すべてがまだ未体験なのに、妙に生々しい。
金曜の夕方、少しだけ遠回りして帰る。
助手席にはキャンプ道具、トランクには焚き火の薪。
高速を降りて林道へ入った瞬間、タイヤが拾う砂利の感触すら想像できる。
僕はまだ、新型RAV4のハンドルを握ってはいない。
でも、感じている。
──これは、“ただの次期モデル”じゃない。
都会と冒険、その両方を本気で生きる人のために設計された、
走りの理想形なのかもしれない。
CORE、WOODLAND、GR SPORT──それぞれの名前が、
まるで異なる人生の一場面を映しているように思えてくる。
そして、乗る前からこれほど“心を騒がせる”クルマには、なかなか出会えない。
新型RAV4。2025年モデル。
想像だけで、ここまで走らせたくなる。
1. 通勤もプレゼンもスマートに—都会派としての質感と装備
朝7時半。窓に朝日が差し込む頃、オフィス街の駐車場に静かに滑り込む。
新型RAV4のCOREモデルに乗り込んだ自分が、ガラス越しのビル群に映っている。
まだ乗ってもいないのに、僕の中ではその光景が何度も再生されている。
このクルマは、ただ目的地へ運ぶためのツールじゃない。
「どんな自分でそこへ向かうか」までをもデザインしている。
例えばインテリア。
12.9インチの大型ディスプレイと12.3インチのデジタルメーターは、すべてがドライバー中心に組まれている。
その配置は決して自己主張ではなく、むしろ「必要なものだけが、気配としてそこにある」静けさだ。
エアコンのルーバー、ステアリングの縫い目、シフトの重さ。
細部の質感に気を配っていると、人は自然と背筋が伸びる。
まるで朝のネクタイを整えるような所作で、RAV4のコックピットに収まる自分が想像できる。
ここに乗ると、人はちょっとだけ“自分を演出する勇気”を持てる。
そして、動き出したときの静寂。
HEVモデルの発進は、まさに“滑る”という表現がふさわしい。
EVのような滑らかさで、早朝の通勤路を音もなく抜けていく。
その静けさが、思考をクリアにしてくれる。
プレゼン資料の構成、取引先での会話の切り出し方。
走っている間に、どこかで答えが見つかる気がする。
この車内は、単なる移動空間ではない。
僕にとっては“次の一手”を考えるための、個人的なスタジオのような場所だ。
そして、ふとウィンドウに映る自分の横顔。
日常の中に埋もれかけていた自信が、少しだけ蘇る。
クルマに乗ることは、単なる物理的な“移動”ではない。
それは時に、“心の質感”を整える行為にもなり得る。
そう、RAV4 COREはまさに、「整えるための道具」なのだ。
背伸びじゃなく、でも妥協でもない。
自分にしっくり馴染みながら、ほんの少し先の未来を目指す。
そういう走り方をしたい大人のために、このモデルは用意されている。
CORE──それは“始まり”ではなく、“芯”を意味する。
2. 林道もキャンプ場も—冒険派としての走破性能
会社帰りの金曜夕方、助手席には寝袋と焚き火台。
トランクにはクーラーボックスと子どもたちの小さな長靴。
まだこのクルマには乗っていないけれど、そんな週末のシーンがはっきり浮かぶ。
新型RAV4のWOODLANDモデルは、そんな“冒険する日常”にまっすぐ向き合う一台だ。
タイヤはオールテレーン。ショックは専用チューニング。
マッドガードにアンダーガード、専用グリルとブラックホイール。
その姿はただの「アウトドア風味」じゃない。
「実際に踏み込める、そして戻ってこられる」ための道具として設計されている。
林道に差しかかったとき、視界の先に水たまりがあったとしても、
アクセルを戻す必要はない。
Dynamic Torque Vectoring AWDが、その瞬間にリアの左右に最適な駆動を配分し、
車体を真っ直ぐ前へ押し出す。
急な上り坂、濡れた落ち葉、ぬかるんだ河原。
あらゆる不安要素を“面白さ”に変えてくれる予感がある。
キャンプ場の夜、テントの中で寝転びながらふと思う。
「来るとき、あのぬかるみ越えられたのはRAV4だったからだよな」
そんな頼もしさが、このWOODLANDの本質だ。
もちろん、スペックとしての四駆性能だけじゃない。
ステアリングフィール、足回りのしなやかさ、そして車体の剛性感──
そのすべてが「安心感」ではなく、「一緒に越えていける感覚」を与えてくれる。
冒険とは、何かを壊すことじゃない。
“自分の安心ゾーン”の少し外側に足を伸ばすこと。
その一歩を踏み出させてくれる存在として、
新型RAV4のWOODLANDは確かに機能する。
まだ乗っていないけれど、わかるんだ。
このクルマは、“冒険したいと思った瞬間に、ちゃんと味方になる”ってことが。
3. 両立のカギはUX設計にあり—都会から冒険への切り替え
人生には、スーツを着る日もあれば、泥だらけになる日もある。
新型RAV4は、その両方に“違和感なく”付き合ってくれる数少ない存在だ。
その秘密は、装備の充実度やパワートレインだけでは語りきれない。
このクルマの真の強みは、「場面が変わっても、使う人の感覚が置いていかれない設計」にある。
ドライブモードセレクトのノブをひとつ回せば、ステアリングの重さ、アクセルの応答、サスペンションの動き方が変わる。
街中では“優雅に流れる感覚”を演出し、山道では“ガッチリと踏ん張る走り”へと変貌する。
でも不思議と、そこには戸惑いがない。
それは、RAV4が常に“使う人のタイミング”に合わせて、そっと変わってくれているからだ。
機械に「合わせさせられる」のではなく、
「感覚を先回りして支えてくれる」。
それがこのクルマのUX設計の真骨頂だ。
例えば、大きなセンターディスプレイには必要な情報だけが表示され、不要なものは静かにフェードアウトする。
グローブをしたままでも操作しやすいスイッチ形状、走行中でも直感的に使えるUI。
この「快適さ」は、装備の数では測れない。
それは、“走っているときの心のノイズを減らしてくれる感覚”。
そして、ドアを閉めた瞬間に始まる「もうひとつの人生」が、RAV4の中にはある。
都会の喧騒と、森の静寂。
それぞれの空気に、ワンアクションで馴染んでいく。
これはもう、単なるSUVの便利機能じゃない。
クルマとの暮らしそのものを“編集する力”なんだと思う。
4. GR SPORTの投入でさらに“走りの意志”を主張
エンジン音を愛し、ステアリングの重みで人生を測る人間にとって、「GR」のバッジには特別な響きがある。
それは単なる“スポーツグレード”の印ではない。
トヨタが、「クルマの本質は走りにある」と、いま改めて宣言している証なのだ。
新型RAV4のGR SPORTモデルは、そのバッジにふさわしい存在感を纏って登場する。
専用のサスペンションと剛性パーツに加え、19インチホイールと低重心のスタンス。
見た目の迫力だけじゃない、“意思のある設計”が全身から滲み出ている。
ここには「SUVでも走りは犠牲にしない」という、GRブランドの信念が確かに息づいている。
僕はGRというブランドに、深い敬意を持っている。
なぜなら彼らは、パワーやスピードではなく、「走りを通じて人を熱くする」という、もっと大切な価値を届けようとしているからだ。
だからこのRAV4 GR SPORTも、“数字だけでは測れない領域”に踏み込んできているはずだ。
例えば、ステアリングの微細な応答。
例えば、コーナリング中のGの抜け方。
その一つ一つに、「誰かをワクワクさせたい」という、作り手の感情が込められている。
SUVであるRAV4に、なぜGRを与えるのか──。
その答えは、おそらくこうだ。
「すべてのクルマは、走ることで人を動かせる」という、トヨタの原点への回帰。
たとえキャンプ帰りの荷物満載でも、
たとえ街中のストップ&ゴーばかりでも。
走ることにこだわる人のために、RAV4はもう一度、自分の“走りの質”を問い直した。
GRのバッジが、その答えを雄弁に語っている。
今から秋が、待ち遠しい。
冷たい朝の空気に、エンジンの始動音が沁みるあの季節。
今年はきっと、その風景に“新しい何か”が加わる。
新型RAV4──
まだ触れてもいないのに、なぜだか僕はすでに、このクルマと“思い出”を作り始めている。
休日の朝に立ち寄るお気に入りのコーヒースタンド。
助手席には娘。バックミラーには朝日。
何気ないその時間すら、このクルマが加わるだけで少しだけ“ドラマ”になる気がしてる。
だから、秋の空気が少しずつ深くなっていくのを、いま僕は指折り数えている。
別に大げさなことじゃない。
ただ、“この気持ちを動かしてくれるクルマ”に、またひとつ出会えそうなんだ。
──まだ実物すら見ていないのに、心のどこかが騒がしい。
発表のたびに少しずつ明かされる、その輪郭。
…このワクワクが、本物だったらいいなと、そう願ってる。
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