エンジン音の奥に、静かな感動があった
昔、走るという行為には“闘い”の匂いがした。
ライバルとのタイム、己との葛藤、限界への挑戦。
だけど今、ハンドルを握る理由は少し変わった。
「大切な人を、ちゃんと笑顔で送り届けるために」
そんな僕が、2025年マイナーチェンジを受けた新型ソリオに試乗した。
最初の印象は、正直“普通”。
でも走り出してすぐ、このクルマの「優しさ」がじんわり伝わってきた。
家族を包み込む広さ。
狭い道でも怯まない取り回し。
ちょっとした段差を上手にいなす柔らかさ。
──そうか、これが「家族のためのドライビングフィール」ってやつか。
今日はそんなソリオとのひとときを、
試乗レビューと、リアルなオーナーの声、そして値引きの現実も交えながら、
“後悔しない選択”のヒントになるよう綴っていく。
エンジン音にかき消されそうになった、静かな感動を思い出しながら。
1. 試乗レビュー|「軽さ」の中にある、芯の強さ
このクルマに乗って最初に感じたのは、「素直さ」だった。
1.2Lの3気筒エンジンは、派手な加速をするわけじゃない。
でも、踏んだぶんだけちゃんと応えてくれる。
気取らず、でも誠実に。まるで昔からの親友のように。
街の中では、小回りの良さが際立つ。
最小回転半径4.8mという数字は、実際にUターンや狭い駐車場で「おおっ」と声が出るレベルだ。
アクセルを踏む足よりも先に、心が軽くなる感覚。
これが「走りやすい」ってことなのかもしれない。
段差の処理は柔らかく、でもフワつかない。
家族を乗せたとき「わっ」とならないだけで、パパポイントが3ポイント加算される気がする(笑)。
音も静かで、娘が後部座席で本を読みながら「パパ、今日は静かだね」と言ってくれた。
──まるで、クルマが会話を邪魔しないように気を遣ってくれているようだった。
そう、このソリオは「ただの移動」じゃなく、「時間を共有する空間」を作ってくれる。
昔は“タイム”を削っていたけど、
今は“日常”を、そっと優しく削り出すような走りに心を打たれる。
そして帰り道。
「パパ、今度このクルマで温泉行こうよ」
──そう言われた時点で、たぶんこの試乗は、もう勝ちだった。
2. オーナーのリアルな声|買って後悔した?満足した?
クルマって、自分で乗ってみた印象と、実際に所有している人の言葉がまるで違うことがある。
だからこそ僕は、「カタログに載っていない感想」にこそ、真実があると思っている。
価格.comやSNSを覗いてみると、ソリオのオーナーたちの声には一貫性がある。
それは「実用性が想像以上だった」というもの。
たとえばこんな声が聞こえてきた:
- 「後席の足元がめちゃくちゃ広くて、子どもが足をバタバタしても平気!」
- 「3気筒だから心配だったけど、音も静かだし出足も十分」
- 「スライドドア最高。駐車場で隣の車に気を遣わなくていいって、こんなに楽だったのか…」
もちろん、少数派としてこんな声もある。
「前の4気筒モデルに比べて、エンジン音が若干気になる」
「フロントサスが少し硬めで、ギャップで“コツン”とくる」
──なるほど、確かに乗り心地の感じ方は人それぞれだ。
けれど、多くのオーナーが「買って後悔してない」と答えているのは、
このクルマが“日常の不満”を一つずつ丁寧に潰しているからだろう。
燃費も悪くないし、維持費もコンパクトカー水準。
必要な装備がしっかり入って、無駄に高級感を押しつけてこない。
まさに“生活にちょうどいい相棒”。
ちなみに、ある奥様ユーザーのレビューがこう締めくくられていた。
「この車、夫が選んだんですけど──初めて“ありがとう”って素直に言えました」
……えっと、うちの奥さんからは、まだその“ありがとう”は未実装です(笑)。
3. 値引き・カタログ・納期情報|リアルな購入事情
カタログで眺めているうちは夢が広がる。
でもいざ買うとなると、現実がチラつくのが“おとなのカーライフ”だ。
ソリオに限らず、「予算」「納期」「どこで買うか」は、まさに三大現実チェックポイント。
まずは値引き事情から。
2025年春時点での相場を見ると、本体価格で7〜9%程度、
オプション込みで最大30〜40万円引きまでいけるケースもある。
特に決算期(3月)や夏のボーナス時期は交渉のチャンスだ。
おすすめは「端数切り+ドラレコ+フロアマット+希望ナンバー」の“欲張り交渉”。
一度に頼めば、営業さんの心も折れずにすむ(笑)。
続いてカタログ情報。
公式サイトやディーラーで配布されているが、Web版(PDF)がかなり見やすい。
特に「装備一覧表」は、子どもの発表会と同じくらい真剣に見る価値あり。
標準かオプションか、その差はあとあと効いてくる。
そして気になる納期。
現在はおおよそ1〜3ヶ月。
人気グレードやボディカラーによっては少し長引くが、以前のような「半年待ち」は今のところ少ない印象。
ただし、キャンプシーズンや年末年始の繁忙期は例外。
「夏に間に合わせたい」なら、春のうちに動くのがベスト。
ちなみに僕は以前、納車前にテンションが上がりすぎて、
納車当日を1日間違えてディーラーに行ったことがある。
……営業さん、優しく笑ってたけど、目だけは笑ってなかった(笑)。
4. このクルマを選ぶ理由|“速さ”じゃない、“うれしさ”をくれる
クルマに何を求めるか──それは、人生のフェーズで変わる。
若い頃は、馬力。
中堅の頃は、ブランド。
そして今、僕が欲しいのは「うれしさ」だ。
乗っていて気持ちが軽くなる、誰かと一緒に出かけたくなる、
そんな小さな“うれしい”が詰まったクルマ。
新型ソリオは、まさにそれだった。
小回りの良さも、居住性も、安全装備も──
どれも特別じゃないけど、「ちょうどいい」のレベルが異様に高い。
このクルマで家族と出かけるたびに、
助手席から「快適〜」って声が聞こえる。
後部座席から「おなかすいた〜」って声も聞こえる。
そしてそれが、なんだかうれしい。
そう、「運転している時間が、誰かの記憶になる」。
その実感があるからこそ、ソリオのようなクルマに価値を感じるんだと思う。
そして今日もドアを開けると、娘が言う。
「パパ〜今日はソリオ?じゃあ、あれね…」
──「あれ」ってなんだよと聞いたら、
「ソリオの日はアイス買ってもらえる法則があるでしょ?」
……知らない間に“走る生活習慣”が作られてた(笑)。
まとめ|後悔しないクルマ選びとは、“誰と乗るか”を考えること
「どのクルマを買うか」──それは、単なるモノ選びじゃない。
「これから、どんな時間を、誰と過ごしたいか」
その問いに、自分なりの答えを出すことだと思ってる。
新型スズキ ソリオ2025は、
爆発的なパワーもなければ、派手な演出もない。
でもその分だけ、“何気ない毎日を、穏やかに彩ってくれる”力がある。
家族を乗せて、コンビニまで。
スーパーでの買い出し。
日曜のちょっとした遠出。
そのすべてが、少しだけあたたかくなる──そんな一台。
だからこそ、僕はこのクルマを勧めたい。
「走るよろこび」を追いかけてきた人ほど、
この“静かなうれしさ”に気づけるはずだから。
そして今、隣の部屋から娘の声が聞こえる。
「ねぇパパ〜、ソリオでまた“例の場所”行こうよ〜!」
……例の場所?なんだ?と思って聞き返したら、
「アイス2個買ってくれるガソスタのことだよ」
──まさかの“アイス専用高速移動車”扱い。
でもまあ、それもまた、“いい関係”の証かもしれない。
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