日産が新型キックスを発表した!!
ニュースリリースを見た瞬間、僕は思わずコーヒーカップを置いた。
「ついに来たか」と。
もちろんキックスのフルモデルチェンジは以前から噂されていた。
海外では先行して登場していたし、自動車メディアも様々な予想記事を掲載していた。
だが実際に正式発表された新型キックスを見て感じたのは、単なるモデルチェンジではないということだ。
価格は299万円台から。
第3世代e-POWER搭載。
そしてキックス初となるe-4ORCE。
スペックだけ見ても十分に話題性はある。
しかし僕が注目したのはそこではない。
いまの日産は決して順風満帆ではない。
長年クルマ業界を見てきた人なら誰もが知っている。
そんな中で送り出された新型キックスには、「もう一度走り出すんだ」という日産の意思が見える。
クルマというのは面白い。
数字だけでは見えないものがある。
価格表の奥に開発者の想いがあり、デザインの裏にメーカーの覚悟が隠れている。
今回の新型キックスはまさにそんな一台だ。
価格は高くなった。
サイズも大きくなった。
だがそれ以上に、このクルマは大きく進化した。
今回は発表されたばかりの新型キックスを徹底的に掘り下げながら、その奥に見える日産の本気について語ってみたい。
1. 新型キックス2026は何が変わったのか?まずは全体像を見てみよう

新型キックスの発表を見て、まず最初に感じたのは「想像以上に変わったな」ということだった。
正直に言えば、僕はもう少し保守的な進化を予想していた。
現行キックスは決して悪いクルマではなかったからだ。
e-POWERの完成度は高く、街中での扱いやすさも抜群だった。
実際、販売台数も安定していたし、大きな失敗作だったわけではない。
しかし日産は今回、安全策を選ばなかった。
むしろ真逆だ。
従来型の延長線上ではなく、まったく新しい価値観を持ったSUVへと生まれ変わらせてきたのである。
まず目を引くのはデザインだ。
現行型の丸みを帯びたシルエットから一転、新型はスクエアで力強いフォルムを手に入れた。
最近のSUV市場を見ると、ランドクルーザーやディフェンダーのような「道具感のあるデザイン」が人気を集めている。
新型キックスにも、そうした時代の空気がしっかり反映されている。
街中で見かけた時の存在感は、間違いなく従来型以上だろう。
特にフロントフェイスは印象的だ。
ヘッドライトとグリルを一体化したような先進的なデザインは、一目で新型と分かる。
最近の日産車の中でもかなり完成度が高い顔つきだと感じる。
そして見た目以上に大きく変わったのが、その中身である。
新型キックスには、第3世代e-POWERが搭載された。
これは単なる改良版ではない。
エンジン、発電システム、制御技術のすべてを見直し、静粛性や燃費性能、加速フィールを大きく進化させた新世代システムだ。
僕はこれまで初代ノートe-POWERから現行エクストレイルまで数多くの日産車を試乗してきた。
その経験から言わせてもらうと、e-POWERの最大の魅力は「モーターらしさ」にある。
アクセルを踏んだ瞬間の滑らかな加速。
エンジン回転数に縛られない自然なレスポンス。
そして街中での静かさ。
この感覚は、一度味わうと普通のガソリン車へ戻れなくなる人が多い。
それほど独特の魅力を持っている。
新型キックスは、そのe-POWERをさらに磨き上げてきた。
数字だけを見ても進化は明らかだが、本当に重要なのはスペック表には表れない部分だ。
例えば高速道路。
これまでのe-POWERは市街地では非常に優秀だった一方で、高速巡航時にはエンジン音が気になる場面もあった。
しかし第3世代e-POWERでは、その弱点を徹底的に改善している。
長距離ドライブが多い人ほど、この進化の恩恵を感じるはずだ。
さらに注目したいのが、キックス初となるe-4ORCEの採用である。
この名前を聞いてピンと来る人もいるだろう。
そう、エクストレイルやアリアにも搭載されている日産自慢の電動4WDシステムだ。
一般的に4WDというと雪道専用の装備と思われがちだ。
だがe-4ORCEの本当の凄さはそこではない。
コーナリング中の安定感。
雨の日の安心感。
高速道路での直進安定性。
ドライバーが意識しないレベルで車両の挙動を制御し、自然な走りを実現してくれる。
かつてレーシングカーでサーキットを走っていた頃、僕は「速いクルマ」ばかり追い求めていた。
だが今は違う。
家族を乗せて走る機会が増えた今、本当に価値があるのは安心して運転できることだ。
その意味でe-4ORCEは、速さのためではなく安心感のための技術と言える。
そして新型キックスは、その安心感をより多くの人に届けるためのSUVとして生まれ変わったのである。
2. 価格は299万円台から。高くなったのか、それとも妥当なのか
新型キックスの発表で、SNSが最もざわついたのは価格だった。
「高くなったな」
「もうコンパクトSUVの価格じゃない」
「ヴェゼルより高いじゃないか」
そんな声も確かに見かける。
気持ちは分かる。
クルマ好きほど、昔の価格を覚えているものだからだ。
僕自身もそうだ。
20代の頃はシビックタイプRが200万円台だったし、シルビアも若者が手を伸ばせるスポーツカーだった。
だが時代は変わった。
安全装備。
電動化。
環境規制。
コネクテッド技術。
現代のクルマは、昔とは比較にならないほど高度な技術の塊になっている。
だから僕は価格を見る時、単純な金額だけでは判断しない。
その価格で何が手に入るのかを見る。
新型キックスの場合、299万円台からという価格設定は決して安くはない。
しかし装備内容を見ると印象は大きく変わる。
大型ディスプレイ。
最新安全装備。
第3世代e-POWER。
上質な内装。
e-4ORCE。
これだけの内容を考えれば、むしろ日産はかなり頑張った価格設定をしてきたようにも見える。
特に興味深いのは、今回の日産が「安売り」をしていないことだ。
かつての日産は、とにかく販売台数を追い求める時代があった。
しかし今の新型キックスを見ると、その姿勢は感じられない。
価値に見合った価格で勝負する。
その覚悟が見える。
実は僕、この部分こそ今回の日産が最も変わったところだと思っている。
価格競争から抜け出し、本当に良いクルマを作って評価してもらう。
それは簡単なようで、とても難しいことだ。
だが新型キックスには、その勝負を挑むだけの内容が確かに備わっている。
そして何より、この価格設定には日産のプライドが見える。
「安いから売る」のではない。
「良いクルマだから選んでもらう」。
そんな開発陣の声が聞こえてくるような気がした。
価格表だけでは見えないものがある。
クルマ好きというのは厄介な生き物で、その数字の裏側にある物語まで見たくなってしまう。
そして今回のキックスには、確かに物語がある。
峯村翔
3. サイズアップで失ったもの、手に入れたもの

新型キックスのスペック表を見て、真っ先に気になったのはサイズだった。
全長も伸びた。
全幅も広がった。
全高も少し高くなった。
数字だけを見ると、「コンパクトSUV」から一歩踏み出した印象を受ける。
きっと現行キックスに乗っている人の中には、少し寂しさを感じた人もいるだろう。
あの取り回しの良さ。
狭い駐車場でも気を使わない気軽さ。
街中をスイスイ走れる身軽さ。
それは確かにキックスの魅力だった。
だが、クルマというのは人生とよく似ている。
何かを手に入れるためには、何かを手放さなければならない。
若い頃の僕は、軽さと速さばかり求めていた。
とにかく軽くて小さいクルマが好きだった。
峠道を走るなら、その方が楽しかったからだ。
しかし家族を持ち、娘たちが成長し、キャンプ道具や旅行バッグを積むようになると価値観は変わった。
広さは贅沢ではない。
快適さは甘えではない。
それは家族との時間を豊かにするための性能なのだ。
新型キックスのサイズアップには、そんな考え方が見える。
後席はより広くなり、荷室にも余裕が生まれた。
週末の買い物だけではない。
家族旅行も、キャンプも、趣味の道具も受け止めてくれる。
そして何より、見た目が堂々とした。
現行型がスマートな都会派SUVだったとすれば、新型は少し肩幅の広い大人になったような印象だ。
若さを失ったのではない。
経験を積んだのである。
僕はそこに好感を持った。
4. ドアを開けた瞬間に分かる。キックスはもうワンランク上のSUVになった

クルマ選びで不思議なことがある。
乗車時間は短くても、内装とは何年も付き合う。
だから本当は、エンジンのスペックよりもインテリアの方が大事なのかもしれない。
朝の通勤。
休日のドライブ。
家族を迎えに行く帰り道。
私たちは常に車内で時間を過ごしている。
その意味で、新型キックスの進化は大きい。
まず写真を見ただけでも分かる。
従来型とは空気感が違う。
水平基調のインパネ。
大型ディスプレイ。
洗練されたメーター。
上質な素材使い。
まるで一つ上のクラスのSUVを見ているようだ。
最近のクルマは性能差が小さくなった。
燃費も良い。
安全装備も充実している。
だから最後は「乗っていて気分が良いかどうか」が重要になる。
その点で新型キックスは、かなり魅力的だ。
特に40代、50代になると分かる。
若い頃のように馬力だけでは興奮しなくなる。
むしろ静かな車内や、長時間座っても疲れないシートの方が嬉しい。
ドアを閉めた瞬間の質感の方が記憶に残る。
クルマ好きであり続けるというのは、価値観が変わるということでもある。
新型キックスは、その変化をよく理解しているように思えた。
もはや「コンパクトSUVだから仕方ない」という言い訳はない。
日産はキックスを、明らかに一段上のステージへ引き上げてきたのである。
5. 第3世代e-POWERは数字以上に“静けさ”が武器になる

クルマの進化というと、多くの人は馬力や燃費の数字を思い浮かべる。
もちろんそれも大事だ。
だが、長くクルマと付き合っていると分かることがある。
本当に記憶に残るのは数字ではない。
そのクルマが生み出す「感覚」だ。
エンジン音。
アクセルを踏んだ時の反応。
ハンドルを切った時の自然な動き。
そして静けさ。
新型キックスに搭載された第3世代e-POWERは、まさにその感覚を磨き上げてきた。
思えば初代ノートe-POWERが登場した時、多くの人が驚いた。
「これ、本当にエンジン車なの?」と。
モーターで走る気持ちよさ。
アクセルを踏んだ瞬間に前へ出る感覚。
街中を流しているだけで感じるスムーズさ。
それは従来のハイブリッドとは少し違う魅力だった。
そして今回の日産は、その魅力をさらに磨いてきた。
おそらく多くの人が注目するのは燃費だろう。
確かに重要だ。
しかし僕が期待しているのは静粛性だ。
若い頃は爆音マフラーにも憧れた。
エンジンを高回転まで回し、音を楽しむこともクルマ趣味の一つだった。
だが今は違う。
休日の朝。
家族がまだ眠っている時間。
静かにエンジンを始動し、ゆっくりと走り出す。
そんな時間に価値を感じるようになった。
高速道路を流しながら妻と会話をする。
好きな音楽を小さな音量で流す。
目的地に着くまでの時間そのものを楽しむ。
静かなクルマは、そういう時間を豊かにしてくれる。
第3世代e-POWERは、単なる燃費競争のための技術ではない。
移動時間の質を高めるための技術だ。
僕はそう考えている。
新型キックスへの乗り換えを検討している方へ
今乗っている愛車の査定額を確認しておくと、
乗り換え予算が立てやすくなります。
🔽 愛車の査定額をチェックする
【ユーカーパック】
![]()
6. e-4ORCEは雪道のためだけじゃない。家族を乗せる人ほど価値がある

今回の新型キックスで個人的に嬉しかったのが、e-4ORCEの設定だ。
正直な話をすると、昔の僕ならあまり興味を持たなかったかもしれない。
なぜなら4WDと聞くと、雪国のための装備というイメージが強かったからだ。
しかし最近の電動4WDは違う。
その価値は雪道だけではない。
むしろ普段の道にこそある。
雨の日の首都高速。
箱根の下り坂。
横風の強い湾岸線。
そんな場面でクルマの動きが自然に安定する。
ドライバーは意識しない。
だが確実に疲労は減る。
僕は若い頃から箱根へよく走りに行っていた。
バイクでも、クルマでも。
あの頃は速く走ることばかり考えていた。
コーナーをどう曲がるか。
どうすればもっと速く走れるか。
でも今は違う。
景色を見る余裕がある。
サービスエリアで飲むコーヒーを楽しめる。
家族との会話を楽しめる。
運転そのものを楽しむというより、移動時間全体を楽しむようになった。
だからこそ、安定感という性能が以前よりもずっと大切に感じる。
e-4ORCEは派手な装備ではない。
だが、長く付き合うほど価値が分かる技術だと思う。
もし僕が家族旅行用としてキックスを選ぶなら、おそらくe-4ORCEを検討するだろう。
それくらい、この技術には魅力を感じている。
7. 新型キックスの評価から見えたもの。それは日産の覚悟だった
発表されたばかりの新型キックス。
当然ながらSNSや自動車メディアでも大きな話題になっている。
評価を見ていて面白いのは、多くの人がデザインと価格について語っていることだ。
「カッコよくなった」
「存在感が増した」
「価格は高くなったけど中身も進化している」
概ねそんな意見が多い。
確かに価格だけ見れば安いクルマではない。
コンパクトSUVという言葉から想像する金額を超えている。
だが、それは日産自身も承知の上だろう。
今回の日産は、安さで勝負していない。
価値で勝負している。
ここが重要だ。
かつての日産には、少し無理をしてでも販売台数を追いかけていた時代があった。
しかし今回のキックスからは、そうした雰囲気を感じない。
良いクルマを作る。
その価値を正しく評価してもらう。
そんな真っ直ぐな姿勢が見える。
僕は横浜で生まれ育った。
子どもの頃から日産は身近な存在だった。
父の中古車店にも日産車はたくさん並んでいた。
だからこそ思う。
新型キックスは単なる新車ではない。
これは日産というメーカーが、もう一度前へ進むための一台なのかもしれない。
もちろん、この一台だけで全てが変わるわけではない。
そんなに自動車業界は甘くない。
だが、新型キックスには確かな意思がある。
そしてクルマ好きというのは不思議なもので、その意思を敏感に感じ取る。
だから僕は、このクルマの今後が少し楽しみなのである。
新型キックスへの乗り換えを検討している方へ
新型キックスが気になった方は、次に気になるのが
「今の愛車がいくらで売れるのか」ではないでしょうか。
想像以上の査定額が付けば、乗り換え費用を大きく抑えられるかもしれません。
まずは現在の愛車の価値を確認してみましょう。
まとめ
ついに発表された新型キックス!
価格は上がった。
サイズも大きくなった。
だが、それは単なる値上げでも大型化でもない。
第3世代e-POWER。
e-4ORCE。
質感を高めた内装。
堂々としたデザイン。
そのすべてが、キックスを一段上のSUVへ引き上げるための進化だった。
若い頃の僕なら、もっと速いクルマに興味を持っていたかもしれない。
だが今は違う。
家族との時間。
長距離ドライブの快適さ。
毎日乗ることの心地良さ。
そういう価値に心が動く。
新型キックスは、そんな大人のカーライフにしっかり応えてくれそうな一台だ。
そして何より、このクルマからは日産の本気が伝わってくる。
クルマは単なる移動手段ではない。
人生の景色を変える道具だ。
新型キックスがこれからどんな景色を見せてくれるのか。
その答えを確かめるために、僕も早くステアリングを握ってみたいと思っている。
走りの奥に人生がある。
だけど寄り道もまた人生。
新型キックスは、その寄り道さえ少し楽しみに変えてくれそうな気がしている。
峯村翔

