まさか、こんなクルマが現れるとは思わなかった。
目を疑った。心が躍った。そして──久々に、ゾクッときた。
5速MTにターボエンジン。
それを、軽自動車に積んできたのが「ミライース」だなんて──誰が想像した?
だけどそれは現実だ。2025年、ダイハツが放った“最も過激な日常車”。
モデル名は「ミライース GRスポーツ」。
いつもの通勤ルートが、まるで峠のワインディングに変わる。
渋滞の先にある信号待ちですら、「次の一速をどう繋ぐか」なんて真剣に考えてしまう。
それは、走り屋たちに贈る最後の祝福かもしれない。
でも同時に、新しい世代に“クルマで走る楽しさ”を教えてくれる教師のようでもある。
エコカーなんて呼ばせない。
このクルマは、時代のカウンターであり、走りを諦めきれない者たちへのラストピースだ。
──さあ、全貌を明らかにしよう。
発売日、価格、スペック、そして走りの“本気度”まで。
2025年の「最も熱い軽」が、今ここに誕生する。
ダイハツ ミライース GRスポーツとは?
「GR」の名を、ミライースに?
そのニュースを見たとき、多くのクルマ好きは思わず目を疑ったはずだ。
けれど、東京オートサロン2025でその姿を見た瞬間、すべてが納得に変わる。
黒と赤で引き締められた精悍なフェイス。
フェンダーの奥に覗く鍛造のBBSホイール。
そして、あのエンブレム──GRの証。
「え、これがミライースなのか?」
その違和感は、すぐに高揚感へと変わる。
なぜなら、それは単なる“見た目チューン”じゃないからだ。
660ccのターボ付き直3エンジン、5速マニュアル、強化サスペンション、スポーツブレーキ。
すべてが“走るため”だけに研ぎ澄まされている。
本来、ミライースとは“日常”を支えるクルマだった。
だがこのGRスポーツは、そんな日常に火をつける。
コンビニに行くだけでも、遠回りしたくなる。
理由なんていらない。
ただ、このクルマで“走りたい”のだ。
5速MT×ターボで何が変わるのか?
オートマ全盛、CVT当たり前。
そんな今の時代に、「5速マニュアル」なんて持ち出すこと自体、ある意味“反逆”だ。
しかもターボまで付ける? 軽で?
──いいだろう、望むところだ。
このクルマは、あなたに“運転とは何か”を思い出させるために生まれてきた。
アクセルを踏んだ瞬間、タービンが低く唸る。ブーストが立ち上がると同時に、車体がぐっと前へ出る。
そこにATの“間”なんて存在しない。シフトノブを引き、左足でリズムを刻みながら、エンジンと会話するように次のギアへ繋げる──そう、それがマニュアルだ。
ターボとMTの組み合わせ。
それは、コントロールと興奮が、ドライバーの指先と足元に委ねられているということ。
電子制御の介入も、変速タイムラグもない。
必要なのは、あなただけ。
燃費? 静粛性?
そんなものを気にする人は、このクルマを買ってはいけない。
これは、真剣に「運転」をしたい人のための1台だ。
朝の通勤路が、グランツーリスモに変わる。
信号待ちの発進ですら、“スタートシグナル”に思えてくる。
何も特別な場所はいらない。
このクルマは、いつもの道を“サーキット”に変える魔法を持っている。
さあ、あなたはまだ、「運転する」という悦びを覚えているだろうか?
もしその答えがYesなら──このクルマは、あなたのためにある。
発売日・価格の予想
いつ出るんだ? いくらなんだ?
──このミライースGRスポーツに心を奪われた者なら、まず最初にそう考えるだろう。
現時点では「2025年秋」とされるこのクルマの市販化。
オートサロンでの反響の大きさから見ても、メーカー側がこのプロジェクトに本気であることは明白だ。
そして、秋の市販化という情報には十分な信憑性がある。
では気になる価格はどうか。
現在のミライースの最上級グレードが約140万円。
そこにGR専用のチューニング、BBS鍛造ホイール、RECAROシート、スポーツサス、そしてターボ&5MT…。
そう──普通に考えたら、200万円オーバーでもおかしくない装備だ。
だが、そこは“走りの民主化”を掲げるGRスポーツの哲学がある。
予想価格は、170〜180万円。
コペンGRスポーツ(約238万円)よりも遥かに手が届きやすい、“日常価格で手に入る本気”だ。
この金額に、あなたはどう感じるだろう?
高い? それとも安い?
けれど、もしあなたの胸のどこかが、「これは買いだ」と叫ぶなら──
それは、理屈じゃない。“走り屋の本能”が反応している証拠だ。
スペック予想:エンジン・足まわり・内外装
軽自動車に5速MT? ターボ?
──聞こえはいい。でも本当に“大したことない”なら、ここまで胸は騒がない。
なぜ僕らは、これほどまでに、このクルマのスペックに惹かれるのか?
答えは簡単だ。数字の裏側に、開発者たちの「本気」が見えるからだ。
エンジンは、660ccのターボ付き直列3気筒。
「どうせ規制で64馬力だろ」──それは事実。でも、忘れないでほしい。
この数字に収まる中で、どれだけトルクを低回転で引き出し、どこでブーストを効かせ、どうドライバーの指先に反応させるか。
そのチューニングが、すべての“走り心”を刺激するんだ。
そしてMT。
ただの5速じゃない。CVTじゃないという、それだけでこのクルマの哲学は伝わってくる。
クラッチを踏み、左手でギアを選び、回転数を合わせて繋ぐ──そうやって自分で操って初めて、「走った」と言える世界がここにはある。
足まわりだって手抜きはない。
GR専用のサスチューンは、おそらくショックもスプリングも専用品。
フロント剛性を上げ、ロールを抑え、それでいてドライバーに“入力”として路面からの情報を伝える。
それが、走りのリズムを作り、コーナーの旋律を奏でる。
タイヤは16インチのポテンザRE050A。グリップは強烈、でもピーキーじゃない。
日常の速度域でさえ、軽のボディと相まって、驚くほどキレのある“曲がり方”を見せる。
そのすべてが、「ここまでやるか?」と思わせるレベル。
内装だって、すべては“走るため”の道具。
RECAROのシートは背筋を自然に立たせ、ドライビングポジションが決まる。
MOMOステアは手のひらに吸い付く。足元には滑りにくいアルミペダル。
これが本当に“ミライース”?
いいや──これは「GRスポーツ」という哲学が宿った、小さな獣だ。
大きなエンジンや高級素材を使わなくても、走りは、思想と情熱で作れる。
そのことを、この1台が証明しようとしている。
いや、証明してしまったのかもしれない。
競合比較:ライバル車と比べて魅力は?
「軽で5MTターボって、昔もあったじゃん?」──確かにそうだ。
アルトワークス、S660、コペン。
国産“走れる軽”の系譜は、確かに存在していた。
でも──そのどれとも、ミライースGRスポーツは違う。
なぜか? それはこのクルマが“特別な人”のために作られていないからだ。
アルトワークスは、走り屋たちの愛機だった。
S660は、趣味人のセカンドカー。
コペンは、ちょっと背伸びしたい大人のスポーツ。
でもこのミライースGRスポーツは、「ただの通勤車」を選ぶはずだった人に、“走る歓び”を持ち込んでくる。
そう、これは“意識高い系スポーツ”じゃない。
日常を装って近づいてきて、いつの間にか走りの魔力に引き込むトリックスターなんだ。
誰もが手の届く価格。
実用性を捨てないパッケージ。
だけど内に秘めた“牙”は、かつての名車たちに引けを取らない。
アルトワークスはすでに絶版。
S660も、生産終了。
コペンは2人乗りで割り切りが必要。
その隙間に、ミライースGRスポーツは完璧にハマった。
4ドアで、荷物も積めて、しかもMTでターボ。
こんな車種、今の日本には他に存在しない。
これは競合比較じゃない。
“孤高”の存在として、走りのシーンに立っている。
そしてその後ろには、こうつぶやくドライバーの影が見える。
「お前、ミライースで来たの?」
「──いや、“GRスポーツ”で来たんだよ。」
ドライバーとしての所感・期待感
かつて──軽はただの「移動手段」だった。
税金が安くて、小さくて、燃費がいい。
それで十分とされてきたこのカテゴリーに、「走る愉しさ」を真っ向から投げ込んだ者たちがいる。
その一人が、豊田章男会長。
彼はずっと言ってきた。
「クルマはもっと、ワクワクするものであるべきだ」と。
「モータースポーツがクルマを、そして人を鍛える」と。
この思想を、最もコンパクトな形で体現したのが──ミライースGRスポーツなんだ。
決して派手ではない。でも、そこに宿る哲学は深い。
軽だからといって、妥協しない。
ミライースだからといって、遊びで終わらせない。
「GR」の称号は、与えられたものではない。得たものだ。
GRスポーツは、名ばかりの“スポーツグレード”じゃない。
それは「走り」に真剣なクルマにだけ与えられる、“走りの証明書”だ。
その重みを、ダイハツは、ちゃんと理解していた。
そしてその期待に、きっちり応えてきた。
正直に言おう。
このプロジェクトには、豊田会長が何らかの形で関わっていると思っている。
「軽にも、走りの魂を宿らせろ」と、そういう熱がなければ、ここまで“攻めた”GRミライースは生まれない。
──もし、あなたの中にまだ、「走りたい」という衝動が眠っているなら。
このクルマは、その心に火をつけに来た存在だ。
ただの通勤じゃ、物足りない。
ただの軽じゃ、つまらない。
でも、だからって高いスポーツカーなんて買えない。
──わかる。その気持ち、痛いほどわかる。
だから僕は、このGRスポーツに賭けたい。
これは、走り屋にとっての“もう一度、走り出すための一台”だ。
まとめ
気がつけば──僕らはいつの間にか、「走る楽しさ」に距離を置くようになっていた。
燃費、維持費、安全性、静粛性。
それは確かに大切なことだ。
でも、いつからだろう。
「クルマを買う理由」が、“胸の高鳴り”じゃなくなったのは。
そんな時代に現れたミライース GRスポーツは、まさに時代へのカウンターパンチだ。
「もっと気軽に、もっと楽しく、もっと本気で走れ」と。
その小さなボディに詰め込まれた思想は、強烈だ。潔い。痛快だ。
これは、“昔走っていた”人へのラブレターであり、
“これから走ってみたい”若者へのファーストキスでもある。
──あなたは今、何に乗っているだろう?
オートマで、タッチパネルで、ACC付きの“便利カー”?
悪くない。悪くないけど、ちょっとだけ、ワクワク、足りてないだろ?
ミライース GRスポーツは、そんなあなたにこそ乗ってほしい。
通勤路の踏切で、ローに入れて半クラするあの感じ。
休日のワインディングで、3速キープのまま立ち上がるあのリズム。
そのすべてが、“人生ってまだまだ楽しいじゃん”って、思わせてくれるから。
走ることは、生きることだ。
ハンドルを握るたびに、そう思える。
……え? MTなんて、もう乗れないって?
だったら一緒に練習しよう。夜の本牧の埠頭でさ。
「ギアは心で繋げばいい」って、教えてあげるから。
──2025年、再び走り出す勇気をくれる1台。
ミライース GRスポーツ。
それは、軽という名の仮面をかぶった、小さな革命だ。